ポケモンの努力値振りのちょっとしたテクニックについて紹介していきたいと思います。今回紹介するテクニックは筆者の持論になるのですが、このテクニックを「努力値ずらし」と命名することにしました。
このテクニックはおまじないのようなもので、実戦において体感できることはほとんどないと思われます。しかし、長い目で見れば勝率に多少なりとも響いてくるのではないかと考えています。
それでは、「努力値ずらし」について説明していきましょう!
努力値ずらしとは何か?
よく使われる配分である
H4 AS252
という努力値の振り方を
H4 A244 B4 D4 S252 または、H12 A244 S252
という形にしようというのが、努力値ずらしの考え方になります。
「なぜ、このような振り方をするのか?」について詳しく解説していきます。
攻撃(特攻)の252振りと244振りはほとんど変わらない
ダメージ計算ツールを使ったことがある人はわかるかもしれませんが、Lv50のポケモン同士でのダメージ計算は実数値を2つ、3つ動かさないとダメージの乱数が変化しないことが多いです。
少し例を見てみましょう。以下は、ドラパルトが相手の無振りドラパルト(163-95)に対してシャドーボールで攻撃した場合のダメージを表にしたものになります。
努力値 | 実数値 | ダメージ量 |
---|---|---|
0 | 120 | 116~138(71.1~84.6%) |
4 | 121 | 116~138(71.1~84.6%) |
12 | 122 | 116~140(71.1~85.8%) |
20 | 123 | 116~140(71.1~85.8%) |
28 | 124 | 116~140(71.1~85.8%) |
36 | 125 | 120~144(73.6~88.3%) |
44 | 126 | 120~144(73.6~88.3%) |
52 | 127 | 122~146(74.8~89.5%) |
60 | 128 | 122~146(74.8~89.5%) |
ダメージの乱数を動かすのに実数値を2つ以上動かさないといけないことがわかるかと思います。元々の数値が小さいポケモンの場合には実数値1つで動くこともあるのですが、ある程度の数値を持っているポケモンであれば基本的に2つ以上動かしていく必要があります。
そして、耐久調整を施す際には相手のポケモンの攻撃の努力値を252と仮定して計算することが多いですよね?
252振り前提で調整されたポケモンに対するダメージは、244振りでもダメージが変わるケースは少ないです。つまり、252振りと244振りはほとんど変わらないと言えるでしょう。
浮いた努力値は耐久に振っていく!
火力面の努力値を252から244に変えたことで浮いた分の8を耐久面に振っていきます。
どこに努力値を振る?
この8をどう割り振るかの前に、極振りのポケモンがどうなっているかについて見ていきましょう。
無振りのHPが偶数 → H4
となっていることが多いですね。このように振る理由は、こうかばつぐんのダメージは基本的に偶数となる(命の珠を持っている場合には奇数のダメージが発生することもある)ので、HPは奇数に調整したいからです。
では、努力値ずらしをしたポケモンはどのように振るのでしょうか?
無振りのHPが偶数 → HP4 B4 D4
このような配分となります。この配分は、ただ奇数を意識しただけに思えるかもしれません。しかし、この配分にはちゃんとした理由が存在します!
どうしてこの配分なのか?
まずは無振りのHPが奇数のケースについて見ていきましょう。
- 極振り:B4 or D4
- ずらし:HP12
となっています。
この配分の理由については、ダメージ計算の指標にされる際、BDに4振った個体を前提とされるケースが多いという背景があります。上の方で252振りと244振りがほとんど変わらないという話をしましたが、BDにおける無振りと4振りも同じです。相手がBD4振りでダメージ計算をしているのなら、BDに振っていない無振りの個体でもダメージは同じになることが多いでしょう。
そこで、BDには振らずにH12という選択をとることにしました。HPに12振るとこで確定1発や乱数1発といった調整を1つずらすことができます。
ここでも、ドラパルトを例にして見てみます。命の珠を持たせたドラパルトのシャドーボールでD4振りドラパルトを倒すには、Cに84振る必要があります。H12振りの個体と比較してみましょう。
攻撃側 | 防御側 | ダメージ量 |
---|---|---|
131(84) | 163-96 | 164~195(100.6~119.6%) |
131(84) | 165-95 | 164~195(99.3~118.1%) |
最低乱数を引いた場合、耐えることができるようになりましたね。「1つずらしたところで意味がない!」と言われてしまえばそれまでかもしれません。しかし、攻撃面に252振るよりかは意味のある調整かと思います。
無振りのHPが偶数のケースも同じようなものです。
- 極振り:H4
- ずらし:HP4 B4 D4
BD無振りを前提に計算しているのなら、BDに4振ったらその調整を崩せる可能性があるからですね。
努力値ずらしを適用するポケモンについて
この努力値ずらしはどんなポケモンにも有効なわけではありません。あまり使われていないポケモンでこの調整をしても、ダメージ計算されていなければ恩恵を得ることはできません。
あくまでもダメージ計算によく用いられるポケモン、いわゆるトップメタを自身で採用していく際に使っていく考え方となります。
ポケモン剣盾での努力値の調整について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
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まとめ
火力面の252振りと244振りはほとんど変わらないので、その努力値を耐久面に回したほうが得られる恩恵が大きいといった理論になっています。
地味ですし、努力値を振るのが面倒といったデメリットもあります。ですが、こういった小さな部分で勝敗が決まるケースもあるでしょう。努力値ずらしを是非試してみてください。